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トヨタ系列の現場でリーダーになるために絶対必要なTPSの基礎知識

 

どーもしゅんちゃむです!

 

最近ブログ記事の更新に怠りが生じてきていますが、決してブログが嫌いになったり面倒くさくなったというわけではありません(笑)

 

現在コロナ禍という中ではありますが、しゅんちゃむは家庭内の育児でも仕事でもありがたいことに絶賛カオスな状態です。。(いい意味で)

 

そんな感じで久々の投稿になりますが、今回はトヨタ系列の企業で働き、またトヨタ系列の生産現場で上を目指す上で絶対に避けては通れないTPSの基礎的な知識について紹介したいと思います。

 

現在の僕

  • 勤続年数10年以上
  • TOYOTAグループの自動車部品工場
  • 中堅作業者
  • 生産現場ではリーダーを務める

 

TPSとは?

TPSとはToyotaProductionSystemの略称で「トヨタ生産方式」を指します。

TPSの概要を一言でまとめると「徹底したムダの排除に基づき、品質の造り込みと合わせて『原価低減』を進める活動」となります。

要するにムダを無くして良質な製品をより安く作れってことですね。

そのTPSの基本思想を支える2つの柱として「自働化」と「J.I.T(ジャストインタイム)」があり、

さらにその柱の土台として標準作業やかんばんなどTPSの本質的な要素があります。

自働化

自働化」という文字を見て最初に感じるのが「動」という字にニンベンがついている事だと思います。このニンベンが付いている意図としては「単なる自動化、つまり機械に全てを任せる」という意味ではないってことですね。

自動化に人の手(ニンベン)が加わることにより、異常(安全、品質、設備)等があれば工程自身が判断し、その場でラインを停止させることができます。

一方で単なる自動化だとどうでしょう?自動の機械は「生産」こそ優れていますが例え異常などが発覚しても誰かが止めない限ぎり動き続けます。つまり不良品が一度流れてしまうと、立て続けに流出してしまう恐れがあるということです。

自働化は「良い物をより安く造る」をモットーに、その狙いとして異常で止まる、判る、そして完了したら止まるという改善のサイクルを生み出し、人材育成と企業体質の強化を目標としたものです。

 

J.I.T(ジャストインタイム)

ジャストインタイムとは「必要な物を、必要な時に、必要なだけ造る・運ぶ」ことです。
アメリカのスーパーマーケットでのマーケティングをヒントに売れた物だけを運搬し、補充すると同時にムダな在庫を抱えないという発想から生み出されたメソットです。

個人的には生産現場で多く求められるのはどちらかというと自働化より、このジャストインタイム関連の事が多く、また携わる機会も多く感じます。

良く聞く「かんばん」の発想もここから生まれたものなんです。

ジャストインタイムを語る上でまず大前提とした条件があります。

それが平準化とよばれる方法です。

平準化とは?

平準化とは生産する物の種類と量を平均化することです。

おそらくパッとしないと思うんで図で解説すると、

量の平均化

時間に対する量のブレを無くします。

 

種類の平均化

一つの種類の製品をつなげて生産するのではなく、複数の種類の製品を均等にまんべんなく生産します。

つまり平準化の目的は人や設備のムダや在庫のムダを低減することになります。

さらにこの平準化を行うことにより、順次前工程も必然的に平準化される仕組みとなっています。

正直現場のリアルな本音としては量や種類を平均化することはそれに伴い段替えの回数が増えるので忙しくはなりますが、あくまでもジャストインタイムの本質的な部分のあるべき姿として、売れる単位で造り、運ぶというのが根底にあるんですよね。

あくまでもお客様第一です。

ジャストインタイム生産における物流

物流に関してもジャストインタイムの考えが用いられいかに安く運ぶことができるかが追究されています。

一般的な物流に対する考え方

一般的な物流に関する考えとしては、

①物を運ぶこと自体を目的としている

②大量輸送、積載率重視

つまり、大型車で一気に大量の製品を運んだ方が輸送費を安くできるのではないかという考えに至ると思います。

ただ、ジャストインタイム生産における物流の考え方はこれとは異なるんです。

ジャストインタイム生産における物流

ジャストインタイム生産における物流思考としては運搬のムダ、つまり運ばないことこそが最良の物流とされています。

確かに運ばなければ輸送費や人件費は抑えられるけど、とは言えさすがに運ばないというわけにはいかないですよね。。

このジャストインタイム生産における物流に関してはまだ続きがあります。

されど運ばざるを得ない時に限っては「必要なものを必要な時に必要なだけ、効率良く運ぶ」に基づき、明確な運搬計画(平準化を前提とした)を立てる必要があります。

このように、ジャストインタイム生産における物流には前後の生産工程を平準化により同期化させ、トータル在庫とスペースを最小化し、リードタイムを短縮する中で、安く運ぶことを追求しているというわけです。

物流費≠輸送費

ちなみに「物流費を抑える」となった場合その対象になるのは輸送費だけではないということに注意が必要です。

あくまでも輸送費とは字のごとく物を輸送する費用のことですが、物流費とは、運搬する際にかかる費用、倉庫で保管、出荷する際の費用、もちろんその倉庫の借用・管理費用など仕入れ先から自社に至るまでの全てを含めたトータルコストを指しています。

要するに物流費を抑えるのであれば、輸送効率の向上だけでなく、物流全体を見通しての改善が必要になるということです。

標準作業

トヨタ系列の生産現場での作業には必ず「標準作業」と呼ばれる作業方法があります。

標準作業の目的としては以下の2点があります。

①安全に必要な良品を効率的につくるための作業のルール

・物の造り方、管理の根幹をなすもの
・標準作業は、”監督者の意思”である

②改善の道具

標準のないところに改善はない(正常と異常の区別がつかない)
・ムリ・ムラ・ムダを見つける為

標準作業の定義

標準作業の定義は、人の動きを中心にして安全と品質を確保し、ムダのない順序で、効率的な生産をする作業のやり方で、大事なポイントは必ず人の動作を中心として考えること、またその作業が繰り返し作業になっているかが大切です。

そしてその標準作業を成立させるには、「タクトタイム」、「作業順序」、「標準手持ち」の3要素が必要になってきます。

タクトタイム

タクトタイム(TT)とは1台または1個を何秒で造らなければならないかという時間のことです。

タクトタイムの計算方法としては、日当たり稼働時間(定時)/日当たり生産必要数で表されます。

それ以外にも本来定時で計算するのに対して残業時間なども含めて計算する際に用いられる、実行タクトタイム(ATT)と呼ばれるものや、作業者が自分の受け持ち工程で作業を1巡するまでにかかる時間のサイクルタイム(CT)や設備の能力を図る際に用いられるマシンタイム(MT)などがあり、現場での生産管理板などでもよく目にする事があると思います。

作業順序

作業順序とは作業者が物を加工する場合に、材料から完成へと次第に変化していく過程のことで、
物を運び、機会に取り付け、取り外したりするものです。

時間の流れとともに作業をしていく順序であってワークが流れていく順序という意味ではないというところに注意が必要です。

標準手持ち

作業順序にしたがって作業をしていく場合、繰り返し同じ手順で作業ができるように工程内に持つ最小限の仕掛品(ワーク)のことをいいます。

生産現場でリーダーとして働く上でよく上司から「このラインの標準手持ちはどうなっているの?」と聞かれることがあります。標準手持ちがはっきりとしていないと作業のスタートが分からなくなったり、繰り返し作業が行えなるので必ず把握しておくことが大事です。

標準作業の改善に使う3つの基本帳票(3票)

生産ラインを改善する前提条件として必ず標準作業が行われている事が必要になります。
標準作業は改善の道具であり「標準のないところに改善はない」と先ほど説明しました。

次は実際に標準作業が行われている前提で改善を行う場合に用いられる3票と呼ばれる基本帳票を紹介します。

工程別能力表

部品を各工程で加工する時、各工程の加工能力を表すもので、手作業時間、機械の自動送り時間及び刃具交換時間などを記入するもの。

ちなみに加工能力とは直あたりの定時内で加工できる機械ごとの最大個数のことになります。

標準作業組み合わせ票

各工程の作業順序を決めて、手作業時間と歩行時間を明らかにし、タクトタイム内で1人がどれだけの範囲の工程を担当できるかを検討するもの。その際自動送り時間を記入して、人と設備の組み合わせが可能かどうかも合わせてみるようにしている。

標準作業票

作業者ごとの作業範囲を図示し。標準作業の3要素(タクトタイム・作業順序・標準手持ち)の他に品質確認、安全注意等が記入される。

標準作業票は管理者の目で見る管理の道具として用いるもので、主に現場の対象工程に掲示されています。

かんばんの機能

トヨタ系列の生産現場で働く人は必ず耳にしたことがある「かんばん」。

よく「今日はかんばん多いなー」や「かんばん残り何枚あるー?」などその日の生産状況を伺うために使われがちですが、かんばんの本来の目的はどういうものでしょうか?

かんばんとは管理の道具であり改善の道具です。かんばんを減らす事で在庫が減り、同時に異常が見えてくるという顕在化させるというのが本来の目的です。

ただし、かんばんを運用する際に使い方を間違えると目的達成を阻害することになります。
ジャストインタイム生産のレベルアップを最終目標とする上で守らなければいけないかんばん運用の6つのルールがあります。

1.不良品を後工程に送らない
2.後工程が取りに行く
3.後工程が引き取った量だけ生産する
4.かんばんのないときは造らない、運ばない
5.かんばんは現物につけておく
6.かんばんの入数表示と実数が合致していること

以上がかんばん運用の6つのルールとなります。

つまり、「来週は忙しくなりそうだから余分に造っておこう」や「設備がいつ止まるかわからないから念のために造っておこう」などという現場あるあるはご法度ということですね。

あくまでもジャストインタイムに基づいた生産を必達させることを目標としています。

ムダの排除

TPSを行う上で重要なのはとにかく徹底したムダを排除すること。

とはいえ大事なのはどういうムダを排除するか?ということです。

ここではTPSで取り上げられている代表的な7つのムダをご紹介します。

7つのムダ

1.造りすぎのムダ(最悪のムダ)

タイミング早く生産する、または必要以上に生産すること。手待ちや、動作のムダ、在庫のムダなどの二次的なムダを発生させてしまう恐れがある最悪なムダとなっています。

2.運搬のムダ

例えば目的地点に部品を運ぶ際にムダなルートを運搬したり、空荷での走行を行っていたり、実際現場ではありがちなムダです。だからこそムダだと気づくのに最も時間がかかるムダだと言われています。

3.在庫のムダ

在庫のムダを理解するためによく用いられる例えとして、水面と水中の岩が使われます。水面を見ただけではその水中に隠れている岩の存在には気づきません。つまり水面を在庫と考えた場合、岩は問題で水面が高いと(在庫が多いと)岩(問題)には気づかないという事ですね。在庫は常に適量であることで問題点の顕在化にもつながります。

4.手待ちのムダ

標準作業を行う前提で、作業者が次の作業に移れず待っている状態。確かに作業者の慣れや、やり方によって個々のスピードは違い、それにより手待ちが発生することはあります。ただ、それは何も待たせる作業者の能力の問題だけではなく、待たせてしまう仕組みの問題でもあります。

5.加工そのもののムダ

工程の進みや、加工の精度に寄与しない不必要な加工。製品を加工する際、そもそもその加工は本当に必要なのか?という問題です。ただ、作業者などは教えられたことを淡々と加工するのが当たり前になりがちなので、中々加工そのもののムダには気づきにくいかもしれません。

6.動作のムダ

付加価値を生まない動作ですね。TPSのように徹底したムダの排除を求めるプロジェクトにとって付加価値を生まない動作はマイナス要素でしかないです。常に自分がやっている作業一つ一つに付加価値、つまりそれが原価低減につながる動きなのかどうかまで考える必要があります。

7.不良品、手直しのムダ

不良品や手直しをしなければ製品にならない物を造ってしまうムダのことです。よくロスコストという言葉を耳にしたことはありませんか?普段自分らが何気なく造っている製品一つ一つにもコストがかかっています。例えば僕の職場だと1個5秒で造れる製品が1個あたり800円ほどします。それを4個1セットにして自動機に流すのですが、セットの仕方が甘く、不良品になった場合は800×4=3200円の損失となります。3200といえど日当たり、月当たり、年当たりにすると莫大な金額になりかねるので、いかに不良品が原価低減の妨げになっているかが分かります。

少人化と省人

TPSでは常に必要最低限の人員での生産が求められます。ただ、毎月の生産数によって必要な人員は変わってきますし、原価低減につなげるには人を省くといったことも必要です。ここでは「少人化」と「省人」の違いについて紹介します。

少人化

少人化とは生産必要数に応じて、生産数を落とすことなく何人でも生産できるラインを作り上げることです。

例えば1つのラインに作業者が5名入っているとして、1時間当たりの出来高が500個だったとします。
単純計算だと1人当たりの出来高としては100個になります。

しかし、先ほども言ったようにその月によって生産数必要数は変わってくるのでもし次の月が400個に減ったとします。その場合は人を1人減らし4名で400個を作れるようにします。そうすれば1人当たりの生産数は100個で前の月と変わりません。

つまり月度の生産数が増減したとしても1人当たりの生産数は変えないというのが少人化になります。

省人

一方で省人は少人化とはどう違うのでしょうか?

例えば先ほどと同じく時間あたりの出来高が5名で500個のラインがあったとします。省人の場合はこの時間出来高である500個を作業改善や設備改善により4名で造れるようにする方法です。そうすれば1人当たり100個だった数が1人あたり125個も造れるようになります。

この際完全に1人を省くことができるので結果として人件費削減、つまり原価低減に繋がるのです。

少人化と省人の違い

少人化と省人の説明を聞いただけだと「原価低減こそ目指すべき姿であり省人を目標としてやるべきだ!」人を省くことが大事に思えますが、そういうわけではありません。

もちろん人を1人単位で省けるのは原価低減への大きな貢献になりますが、それを実際に現場でやろうとすると大掛かりな改善工数がかかったり、省いた作業者を次にどこのラインで使うか?など問題点がいくつか発生します。

中でも省人の最もネックなポイントとして「台数の変化に弱い」ということです。
先ほどの例でいうと、どうにか1名を省き4名で500個作れたとします。しかし次の月に生産必要数が100個増え600個になった場合、それを5名で造れるとは限りません。なぜならあくまでも500個を4名で造れるようにしただけで、そこの5名入ると作業範囲などが変わり作業者1人当たりの負担も変わってくるからです。

一方で少人化はというと常に1人工分の仕事を与え続けることを目的としているので、人を1人省くほどの改善はできなくとも小さな改善の積み重ねにより、月度の生産数に対しても柔軟な対応ができるという仕組みになっており、より現実的なメソットとして現場で使われています。

まとめ

ここまで長々とTPSに関して紹介してきましたが、要するに常に改善を繰り返し原価低減により利益を出し続ける事を会社は求めているということですね。

そのためにもいつでも正常と異常の区別がつけられる環境を作ることを目的として進める必要があります。

原価低減のための改善の狙い所として、まずは全員が「問題意識」を持ち、4つの切り口から現場を見て、その中で平準化を前提とし、ジャストインタイムと自働化の2本の柱を基に、効率化や少人化を行う事で阻害要因を見える化し、知恵を出して解決していくことがトヨタのニーズとなると同時にお客様のニーズにもなるのです。

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